Chapter 3N 間奏曲

すくいきれないもの

バクラム軍によるライム制壓から4週間……。
激戰の末、古都ライムを占據したバクラム軍は
その勢いに乘って南下を續けたが、
ガルガスタン軍を加えたウォルスタ解放軍は
これをくい止めることに成功した。

ゴルボルザ平原を挾んで一進一退が繰り廣げられたが
兩者の戰いは、次第に膠著狀態に陷っていった。

バクラム軍の指導者‧司祭ブランタは焦っていた。
互いの戰力は今のところ五分と五分だが、
ロンウェー公爵がガルガスタン軍を完全に掌握すると
そのバランスは崩れ、壓倒的に不利になってしまう。
賴みの綱である暗黑騎士團は再三の要請にも關わらず、
フィダック城に陣を構えたまま動こうとはしない。

態勢を整えきれないロンウェー公爵にとっても
動こうとしない暗黑騎士團の存在は不氣味であった。
以前に交わした密約が生きているのかどうなのか……。
兩陣營は共に決めてを欠いていたのである……。

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