バルバトス樞機卿の最後

 

コリタニ城行刑場
ロンウェー公爵
「皆の者、見よッ、朝が來たぞ。我等の勝利を祝う朝だッ!!
 昨日まで續いていた暗黑の時代はようやく終わりを告げる 、この男の死によってだッ!!

ウォルスタ人の若い男
「我等ウォルスタの積年の恨みを思い知れーッ!

ウォルスタ人の年配女性
「あたしの息子を殺したガルガスタンの惡魔を殺せーッ!

ガルガスタン人の老人
「我の名譽を傷つけたオウガの末裔よ。地獄へ墮ちろーッ!

ロンウェー公爵
「聞いたか、バルバトス?貴樣は同胞からも嫌われてるようだな。

バルバトス樞機卿
「 。

ロンウェー公爵
「皆の者、靜まるがよい。皆の氣持ちはよぉくわかった。
 我がウォルスタの同胞よ。我等の苦しみはすべてこの男によって引き起こされた災いであった。
 友であるガルガスタンの民よ。我はすべての恨みをこの男の血であがない、水に流すとしよう。
 すべての爭いはこれで終わりにしよう。
 ウォルスタとガルガスタンは今日から同じ國の民なのだから。

神父
「 汝、神の子よ。最後に言い殘すことはあるか?

バルバトス樞機卿
「ふはは、すべての戰いは終わっただと?ふははははは、愚かなやつらめ。
 爭いを始めたのは私ではないぞ。貴樣ら、すべての人間だッ。
 貴樣らが私に爭いを始めさせたんだぞ。

ロンウェー公爵
「默れッ!この期に及んで自分の罪を民のせいにするかッ!

バルバトス樞機卿
「哀れだぞ、ロンウェー。貴樣も私と同じだ 。
 ぐうたらで、不滿ばかり口にし、自分では手を污さない 。それが民眾というもの。
 ロンウェー、貴樣は民眾を手中に收めたと思っていよう 。
 しかし、それは見當違いだ。手のひらで踴っているのはこいつらではないぞ。私と貴樣だ 。
 この私の姿は貴樣の未來の姿なのだ。ふはははは。

ロンウェー公爵
「ええい、もうよいッ。やれッ!

バルバトス樞機卿
「哀れだ、哀れだぞ 、ロンウェーよ。ふはははははは 。

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