バルマムッサ上陸作戰

 

バルマムッサの町
デニム
「姊さん、うまく侵入できたみたいだ。まだ誰も氣づいていないよ。

カチュア
「 そうね。町に駐留しているガルガスタン兵も少ないようだわ。
 これなら、たいした被害を出さずに任務を遂行できそうね。
  よかったわ。


騎士レオナール
「なんと、この數で決戰を挑まれるとおっしゃるのかッ!?

ロンウェー公爵
「そう、聲を荒立てるな。

騎士レオナール
「よいですか、公爵。たしかに以前より我が軍の兵士は增えています。
 しかし、ガルガスタン陣營の反對派を蜂起させることができなかった以上、數の上で負けているのは我らですぞ。

ロンウェー公爵
「わかっておる。貴公に言われんでもわかっておるわ。

騎士レオナール
「ならば、今一度お考え直しを。

ロンウェー公爵
「まあ、私の策を聞け。そのうえで好きに反論すればよい。
 まず、一個小隊をコリタニ城の南西の町バルマムッサに派遣する。町の占據後、ゾード濕原まで進軍する。

騎士レオナール
「側面から敵を攪亂しようとでも?ひっかかるとは思えませんが 。

ロンウェー公爵
「いいから、默って聞け!小隊の指揮は英雄殿にとってもらう。
 同時に、上陸したのは小隊ではなく戰力の大半だとウワサを流す。
 そのウワサがやつらを惑わすはずだ。
 我がアルモリカから來るのか、それともバルマムッサからなのか、と

カチュア
「彼らはそのウワサを信じるでしょうか?

ロンウェー公爵
「信じさせるために、貴公らゴリアテの英雄殿に出向いてもらうのだよ。
 英雄殿が率いているのだ。バルバトスもそれが小隊とは思うまいよ。
 少なくとも惑わせるには十分だ。
 しかし、賢明なバルバトスのことだ。ウワサを真に受け全戰力をバルマムッサへ向けることはないはずだ。
 戰力を二分し片方をスウォンジーの森にもう一方をゾード濕原へ派遣することだろう。
 戰力ではやつらの方が上。
 二分したとて、勝てると踏むであろう。
 しかし、戰力が二分されれば我らにも勝てる望みは出てくる。

騎士レオナール
「それほどうまくいきましょうか?万が一、二分されないときは 。

ロンウェー公爵
「二分させればよいのだ。私の策にはまだ續きがあるのだよ。
 バルマムッサに上陸した英雄殿はコリタニ城に攻めむと見せかけてコリタニ城の西の港町アシュトンを占據するのだ。
 戰力がコリタニ城に集結している今なら容易に落とせよう。

騎士レオナール
「そうか、バルマムッサとアシュトンを落とせば海への出口がなくなる 。

カチュア
「 ?

騎士レオナール
「我ヴァレリアの民にとって海洋貿易はなくてはならない生活の術だ。
 それはガルガスタンも同じ、ましてコリタニは內陸の居城。港を占領されることは生命線を絕たれるに等しい。
 ウワサを信じる信じないに關わらず戰力を二分せざるをえないのだよ、ガルガスタンは。

ロンウェー公爵
「万が一、戰力の分散に失敗しても、經濟封鎖による弱体化をはかれるのだ。

デニム
「オトリとなった僕らはどうなりましょう?

ロンウェー公爵
「かなわぬと判斷したならば、速やかに撤退するがよい。

騎士レオナール
「ガルガスタンの出方を見きわめてからの決戰となりますな 。

ロンウェー公爵
「案ずるな、レオナール。策は完璧だ 。

騎士レオナール
「 御意にござります。

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