崩壞の兆し

 

アルモリカ城會議室
ロンウェー公爵
「よく、戾ってきてくれた。英雄殿が無事なら解放軍も大丈夫というもの。

カチュア
「 これから、どうなさるおつもりですか?戰いに敗れた今となっては 。

ロンウェー公爵
「まだ、負けたわけではないッ。スウォンジーでは引き分けたのだ!
 態勢を立て直し、今一度大軍を率いてコリタニ城を攻めれば濟むことだ。

騎士レオナール
「大軍を率いてですと!どこにそのような兵士がおると?

ロンウェー公爵
「 では、どうしろというのだ?貴公に何か策でもあるのか、ン?

騎士レオナール
「 たしかに、スウォンジーでの被害はどちらも同じでありましょう。
 しかし、ガルガスタンには英雄殿の引きつけていた手つかずの戰力が溫存されているのですぞ。
 まして、我が軍ではバルマムッサ以降、軍を拔ける者が後を絕ちませぬ。
 兵士がいなければ戰えるはずもない。

ロンウェー公爵
「貴公はこの期に及んで泣き言をいうのか。ええい、情けないヤツめ。

騎士レオナール
「泣き言ではございませぬ。私はただ事實を客觀的に申したまでのこと。
 樞機卿を倒そうと言うのは簡單ですが具体的な策を講じないかぎり、我に未來などありませぬぞ。

ロンウェー公爵
「こ、この私が口先だけだとでも申すのかッ!? き、貴公は!!

デニム
「おやめくださいッ。今はお二人が爭っている場合ではないはず。

ロンウェー公爵
「 ロスローリアンに援軍を願う。

騎士レオナール
「なんですと!本氣でございますか?援軍など正氣の沙汰とは思えませぬ!

ロンウェー公爵
「私は決めたのだ。バルバトスめを倒すにはそれしかない。

騎士レオナール
「援軍を願うということはその軍門にくだるということ 。
 それでは我らウォルスタはまたもやバクラム人の支配下におかれるということではございませんか。
 私は贊同いたしかねますッ。
 これが知れれば、解放軍を離れる兵士が增加するだけ。
 まして、民による自治權を求めるネオ‧ウォルスタ解放同盟なる輩が勢いづくだけではありませんかッ!

ロンウェー公爵
「ならば、貴公ならどうする! もう、よい。貴公には賴まぬわ。

ロンウェー公爵
「英雄殿ならおわかりいただけよう。大事の前だ、己を欺くことも必要だ。

デニム
「 。

ロンウェー公爵
「フィダック城へ向かってくれぬか?私の書簡をタルタロス卿に屆けるのだ。

騎士レオナール
「公爵樣ッ!何卒、お考え直しをッ!

ロンウェー公爵
「うるさいッ!この小心者め。この部屋から出て行けッ!

ロンウェー公爵
「英雄殿のはたらき如何でウォルスタの未來は決まるのだ。行ってくれるな?

デニム
「仰せのままに 。

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