プリンセス‧カチュア

 

港町ゴリアテ
カチュア
「 デニム。私たちはたった二人の姊弟なのよ 。

聞き覺えのある聲
「それは違う。君は天涯孤獨の身だ。

カチュア
「だっ。だれ?
 ランスロット‧タルタロス!!あなたがどうしてここに!?

暗黑騎士ランスロット
「君の母親は君が生まれたときにこの世を去った。
 そして父親はこの島が內亂に突入する數ヶ月前にやはり亡くなっている。
 血を分けた兩親や兄弟は、もう一人のいないのだ。
 カチュア、君は孤獨なのだよ。

カチュア
「ど、どういうこと!?私にはデニムという弟がいるわ!

暗黑騎士ランスロット
「君は、自分が神父の娘でないことを知っていたようだな。
 だから君は、何の疑問もなく彼も自分と同じだと決めんだ 。
 しかし、それは誤解というもの。彼は、君にとっての育ての親、プランシー神父の實子だよ。
 君とデニムは姊弟ではないっ。

カチュア
「じゃあ、この私は誰なの?いったい誰だって言うのッ?

暗黑騎士ランスロット
「君の本當の名前はベルサリア。ベルサリア‧オヴェリス。

カチュア
「ベルサリア‧オヴェリス 。 そんな、信じられない。

暗黑騎士ランスロット
「頭のいい娘だ。そう、オヴェリス家はヴァレリアの王を生んだ一族。
 君は、ドルガルア王の娘なのだ!

暗黑騎士ランスロット
「ただし、君を產んだのはベルナータ王妃ではない。
 當時、王妃の次女であったマナフロアという女性だ。
  まあ、王の目にとまったというわけだな。
 だが、彼女が君を身ごもったとき、王妃も王子を身ごもったばかりだった。
 王妃は後のことを考えて、君たち母子を場外へ放逐した。
 そして、彼女は君を產むとそのまま息を引き取った。

カチュア
「 ウソよ。

暗黑騎士ランスロット
「赤ん坊の君を引き取ったのは誰だと思う? バクラムの君主ブランタ モウンだ。
 君を實弟であるプランシーに預けると、この事實を野心のために利用した。
 一介の神父に過ぎなかったブランタが、司祭にまで出世できた背景にはこうしたことがあったからなのだ。

カチュア
「ウソよッ!そんなのでたらめだわッ!!

暗黑騎士ランスロット
「証據はある。君が身につけているネックレスのことだ。
 古い神聖文字が刻んであるだろう?僧侶の勉強をしていた君なら讀めるはずだ。

カチュア
「 。

暗黑騎士ランスロット
「 ラボン‧ベルサリア‧ザン‧フォン‧デストニア‧レラ‧フィーナン。
 『我が娘ベルサリアに永遠の愛を』 ドルガルア王が君の誕生を祝って、まだ見ぬ君に送ったものだ。

暗黑騎士ランスロット
「もっとも王は君が、生きていることを死ぬまで知らなかったがね。
 君たち親子は王妃の計略によって死んだことになっていたのだから。

カチュア
「 私をどうするつもり?

暗黑騎士ランスロット
「我といっしょにハイムへきてもらおう。そこでプランシーから詳しい話しを聞くといい。

暗黑騎士ランスロット
「さあ、プリンセス‧カチュア、こちらへ。

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