カチュア
「待って。
デニム
「なんだい、姊さん?
カチュア
「あなた本氣なの?ブリガニア平原を通り拔けるなんて無茶よ!
デニム
「また、その話かい?もう作戰は始まったんだ、姊さん。
僕らが動かなければスウォンジーに向かったヴァイスが危ないんだ。
カチュア
「あななたち本氣なの?やつらは、我の倍はいるのよ!
元ネオ‧ウォルスタ解放同盟のペイトン
「では、どうしろと言うのだ!このまま默って待ってるつもりか?
元ネオ‧ウォルスタ解放同盟のベイレヴラ
「やめておけ、ペイトン。解放軍の連中はおじけついているんだ。
騎士ペイトン
「なるほど、公爵のいない解放軍はただの腰拔けの集まりだからな。
わっはっはっはっは。
ヴァイス
「やめないか、二人とも。仲間同士で爭ってどうする?
それに、解放軍の連中はもういない。解放同盟もそうだ。今は皆が騎士團の一員なんだぞ。
元ネオ‧ウォルスタ解放同盟のアプサラ
「そうよ、ヴァイスの言うとおりだわ。今はそんな場合じゃないのよ。
ヴァイス
「スウォンジーに集結している敵はガルガスタン軍のほぼ全軍なんだ。
斥候からの情報だと、本據としているコリタニ城の兵すらスウォンジーにまわしているらしい。
今なら樞機卿を直接狙うことができる。いや、我が生き殘るには直接、ヤツを叩くしかない。
デニム
「しかし、コリタニ城へ進む道がない。
ヴァイス
「やつらに氣取られず、コリタニ城を攻める方法はただ一つ 。
コリタニ城の背後、ブリガニア平原から進軍するしかない。
カチュア
「それは無理よ!
ブリガニア平原は一年中雪と冰で覆われている極寒の地よ。そこを進むなんてムチャクチャだわ。
ヴァイス
「しかし、それしか方法はないんだ。
樞機卿だって、よもやブリガニアから攻められるとは思っていないだろう。
それに、あそこには放逐されたブリガンテス城がある。中繼基地とするにはもってこいだろう。
デニム
「なんとかなりそうだな。
ヴァイス
「大丈夫さ。おまえならできる。
騎士ペイトン
「やってもらわねば困る!我がオトリとなるのだからな!!
ベイレヴラ神父
「英雄と呼ばれた人物が腰拔けでないことを神に祈ろうか。
わっはっはっは。
デニム
「今さら逃げ出すことなんてできるわけないじゃないか!
カチュア
「 私を置き去りにする氣ね。
デニム
「何言ってるんだ。勝手なことばかり言うのはやめてよッ!
ゴリアテに戾りたいなら戾ればいいさ。勝手にすればいいだろッ!
カチュア
「 ひとりぼっちになるのはイヤなのよ
デニム
「父さんの仇を取るんじゃなかったの?そのために戰ってきたんだろう?
カチュア
「 本當の親でもない人の仇なんてどうでもいいわ。
デニム
「え???
カチュア
「あの人は私たちの本當の親じゃないの。私たちは捨て子なのよ
。
デニム
「そ、そんな
。ウソだっ!父さんが本當の父さんじゃないなんて!
カチュア
「ウソじゃないわ。以前話しているのを聞いてしまったのよ。私たちに肉親はいないのよ!
この世の中で、血のつながった 家族と呼べるのはあなただけ!
デニム
「どうして?そんな話しを今頃になって、どうして僕に!?
カチュア
「 あなたが離れていくからよ。
デニム
「離れていく?僕はいつも姊さんの側にいるじゃないか!これからだって!
カチュア
「ウソよッ!あなたは私よりも戰いを選んだわッ!
自分の理想を實現させるためならあなたは私を見捨てることができる、
私のことを忘れることができる !
デニム
「ね、姊さん 。
カチュア
「たった二人きりの姊弟なのにッ!!
デニム
「姊さんッ! |
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