アルモリカへの歸還

 

港町アシュトン船著場
デニム
「姊さん、この船を使って急いでアルモリカ城へ戾ろう。
 あの女の話が本當だとするなら陸路を進むのは危險すぎるからね。
 用心に越したことはない。

カチュア
「 ねぇ、この島を離れましょう、ね?

デニム
「何を言ってるんだ、姊さん。そんなことできるわけないじゃないか!

カチュア
「彼女の話が本當なら、私たちはもうおしまいよ。捕まれば殺されるわ。

デニム
「それを確かめるためにはアルモリカへ戾らなきゃ。ね、そうだろう?

カチュア
「私はあなたを失いたくないのよ! わからないの、私の氣持ちが?
 たった二人の姊弟なのよ 。ときどき夢を見るのよ。
 あなたがいなくなって、ひとりになってしまう夢を。

デニム
「姊さん、それは夢だよ。僕は姊さんのそばから離れたりしない、絕對に。

カチュア
「私は恐いの 。ひとりになりたくない。ひとりでは生きていけないわ 。

デニム
「姊さん、大丈夫だよ。公爵樣が負けるはずがないじゃないか。
 戾ってみればすべてがわかるさ。 もし、城が落ちていたなら、その時はこの島を離れよう。

カチュア
「 本當ね。約束よ。私をひとりにしないでね。

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