決意

 

ブリガンテス城一室
ガルガスタン人の老人
「ありがとう。あんたは命の恩人だ。皆に代わり、禮を言わせてもらうよ。
 しかしウォルスタ人のあんたが何故ガルガスタン人のわしらを助けてくれたんだね?
 まして、あんたは解放軍の一員としてバルマムッサの虐殺に關わったと聞いているが ?

デニム
「信じてもらうしかありませんが、僕は無實です。
 確かにあの場に僕はいました。
 しかしあの作戰が虐殺を目的としたものだと氣づいたとき、解放軍から離れることを決めたんです。
 その結果、虐殺の首謀者として污名を著せられ、追われる身となりました。

ガルガスタン人の老人
「ふむ 。

デニム
「その時、僕は氣づきました。本當の敵は他にいるってことを。
 父祖の代から續くウォルスタと、ガルガスタンの爭いなんて、本當はないんですよ。
 いつの世でも、樞機卿や公爵のような權力を求める人が、民族紛爭を利用していただけなんです。
 憎むべき相手はガルガスタン人という民族ではなく、それを利用する一部の權力者なんです。

ガルガスタン人の老人
「しかし、あんたは組織のリーダーだ。
 樞機卿や公爵らがしてきたように自分の理想のためにそうした手段を採らねばならぬこともあるだろう。
 そのとき、あんたはどうするね?

デニム
「同じ道を步むくらいなら、自分の命を捨てましょう。

ガルガスタン人の老人
「 あんたは若い。若さから來る言葉かもしれんが、わしはあんたを信じるよ。

デニム
「ありがとう。

ガルガスタン人の若者
「デニムさん、大變です!コリタニ城が解放軍の手に落ちました!

デニム
「そうか、解放軍がやってきたか。
 僕はこれまで解放軍を倒そうと思って戰うことはなかった 。しかし、今度は違う。
 僕は公爵を倒すために、ヴァレリアの未來を取り戾すために、自らの意志で彼らと戰うッ!

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