解放軍の指導者

 

フィダック城會議室

「 先日の式典以來、王女はそのお姿を見せておりませぬ。
 所在地についてはバクラム軍の幹部すら知らされておらず、司祭も密偵を放ち探らせていた樣子です。
 王女は暗黑騎士團と行動を共にしているのではないかと思われますが 。

デニム
「 ブランタとタルタロスの關係は旨くいっていないということか。それで暗黑騎士團の動きは?


「暗黑騎士の多くはハイムに駐留しておりますが、タルタロスを初めとするコマンド級の暗黑騎士達の姿を確認することはできませんでした。

デニム
「バクラム軍が我に對して行動を起こさないのはそのせいか 。
 奴等は何を企んでいるのだろう ?


「 かねてよりご命令にありましたゼノビアの聖騎士殿のことですが 。

デニム
「何か、わかったのか!?


「食事番のものを締め上げて白狀させたのですが、どうやら聖騎士殿はハイム城の地下牢に捕らわれているご樣子です。

デニム
「生きておいでなのだな!


「殘念ながら、バクラム兵でさえも近寄れぬ警備區域でして、そのお姿を確認するまでには至りませんでした。

デニム
「わかった 。ご苦勞だったな。ゆっくりと休むといい。


「はっ。

デニム
「姊さん 。

側近
「閣下。ハイムへ進軍を開始すべきではございませんか?

デニム
「それはできない 。暗黑騎士團の狙いを確認せずに戰いを仕掛けるのはあ まりに輕率だ。

側近
「しかし、時をおけばおくほど戰うことができなくなりますぞ。
 ベルサリア王女に從おうとする氣運が高まっていることをお忘れなのですか?
 ドルガルア王の一族とは劍を交えたくないという兵も出始めているのですぞ!

デニム
「わかっている。だからこそ安易に攻めることはできないんだ!

兵士
「報告いたします。

デニム
「なんだ?

兵士
「ブリガンテス城の兵士らが人質を取り城內に立て籠もりました!!

側近
「なんじゃと!?

デニム
「彼らの要求は何だ?

兵士
「はっ。バクラム軍への降伏です!

側近
「何と愚かなっ!これまでの戰いをなんとするっ!?

デニム
「フィラーハ教團の橫やりだな 。大方、フィラーハ教の信者が兵士の中にいるのだろう。

側近
「王女の出現以來、奴等の勢力は日增しに廣がっていますからな。

デニム
「仕方のないことだ。姊さ 、王女の出現はこの戰亂につかれた人にとっ て救世主の再臨に等しい。まして、亡きドルガルア王は熱心なフィラーハ教 の信者でもあった。
 ドルガルア王がそうであったように「民族融和」のスローガンを揭げ戰爭放棄を訴えるのは當然のことだよ。

側近
「では、いかがなされますか?

デニム
「力で對抗したのでは司祭と同じだ。教團の指導者に會いに行く!

側近
「まさかっ!おやめくださいっ!万が一のことがあっては !

デニム
「僕一人で、しかも丸腰でいけば大丈夫。きっと話しを聞いてくれるさ。

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